番外編1『消費する者』 6




 モグモグ。
 ハンバーガーを頬張りながら、俺たちは帰路についている。チーズバーガーと比べると物足りない感があるハンバーガーは、相当久しぶりに食ったが、案外うまい。
「真依。おいしい?」
 やはりハンバーガーを頬張りながら、尚子が鵬塚に尋ねた。
 当の鵬塚はスキップでも始めそうなほどに上機嫌だ。小さい口でハンバーガーを少しずつ減らしていきながら、頬を緩ませっぱなしだ。
 その鵬塚は、何度もコクコク頷き、瞳を輝かせて尚子、岬、俺の順に見た。そして――
「……すっ……く……しい……な……がと……」
「へ? 何スか?」
 相変わらずの鵬塚語に、やはり岬だけが戸惑った様子。
 ……何というか。そのまんま訳すの嫌だな。尚子に任すか。
 そう思ったのだが、尚子に視線を送ると、彼女は楽しそうに笑って、ハンバーガーを持っていない方の手で岬を示す。あんたがどうぞ、ということらしい。
 何の嫌がらせだ?
 とはいえ、岬だけ置いてけぼりってのもアレか……
 さて――
「あー何だ。その……『すっげーうめぇ。おめーらサンキュー』だとよ」
 言葉遣いを乱暴にしてみても、この内容は恥ずいな…… ちょっと赤面してるかもしれん。
 クスクス。
 尚子と鵬塚が含み笑いをしている。
 ……お前ら、何かむかつくぞ。



PREV  TOP  NEXT